安全教育のテーマは「ロワーリングの本質」

 

いつも、マルイチのブログを見ていただき、ありがとうございます。

 

今日は「ロワーリング」の話をさせていただきます。

実は先月、断幹作業をしている際、幹の落下力を減少させる「ロワーリング」が上手くいきませんでした。クライマーは樹上で揺さぶられ、ロデオ状態となり怖い思いをしました。

いわゆる「ヒヤリハット」です。

 

「ロワーリング作業」はグランドワーカーの最も重要な仕事の一つです。そこで再発防止のために「ロワーリングの本質」の勉強会を開きましたのでその様子をご報告します。

 

 

以下、教育内容です。
・ダイナミックリギング中に材を瞬時に止めた時、アンカーに生まれる衝撃力は? 
  クライマーが揺さぶられる力を計算する 
  1. 幹の重さ  200kg
  2. 落下距離  4m    何処からどこまでの長さ?
  3. 重力加速度 9.8m/s²  
  4. 落下速度  8.85m/s
  5. 減速量   0.4m   ロープ伸び 
これらの数字から計算するとアンカーには
  
  約8トン の衝撃力が発生しています! 
 
・同じ重さでも幹の長さが違うと落下衝撃力は変わるか?
・幹200kgの時 ポータラップにロープを何巻する?
 
・その根拠は?
 
・ロワーリングの意味は?  ポータラップやボラードはロワーリングディバイス
              落下力を思い通りに減少させること
 
・どうやって減少させる?  摩擦抵抗力をつくる
 
・必要摩擦抵抗力は?    ポータラップの落下力減少量
               1.5回巻き:1/10~1/3 
               2.5回巻き:1/200~1/16
               3.5回巻き:0~1/250
 
・ポータラップのLサイズとMサイズでは抵抗力が違うか?
 
・摩擦抵抗力のつくり方?  接地面積を増やす
              ロープを屈曲させる
 
・ポータラップは何故熱を持つ?
  落下力が熱力に変わる。落下スピードが速いほど高い熱が生まれる。
 

 ・断幹作業 ハーフヒッチを結ぶ位置は何処が良い?

「幹が100kgならポータラップ1.5巻」「200kgなら2.5巻」

「ポータラップはLサイズの方が摩擦抵抗が大きい」

など、今までの勘違いが解消され、ロワーリングの本質を理解できた勉強会となりました!