いつもマルイチブログをお読み頂きありがとうございます。本日はいつもとはちょっと変わった話題をお届けいたします。
なんと昨日(4月21日の金曜日)、イギリスのアーボリスト「ロバート・ノット氏」がツリーワーク講師として来日中の合間を縫って、当社の村上事務所(新潟)を訪れて下さいました。ここぞとばかりに写真も沢山撮らせて頂きましたので、本日はその時の様子をレポートさせて頂きます。
ロバートさんは当社の常務取締役 兼 技術開発推進部長であるポールさんの師匠にあたる方になります。アーボリストとは庭師であり、樹木医であり、伐採技術者でもあり、樹木に関する仕事をマルチにこなす職業です。日本ではそれぞれ分業になっている事が一般的ですが、欧州においてはアーボリストと呼ばれる人達が樹木に関する仕事を全て兼ねるのが一般的です。
そんなアーボリストであるロバートさんが村上事務所を訪れて下さったのは「日本の庭仕事に興味がある。実際の様子を見てみたい。」というご希望からでした。タイミング良く村上事務所の庭の冬囲い(雪吊り)の撤去に庭師さんが来て下さる予定がありましたので、見学にお誘いしたというワケです。
イギリスでも雪は降るそうですが、日本のように庭木を雪から守る「雪吊り」のような事はしないそうで、とても興味深そうにご見学、写真も沢山撮っておられました。「縄の素材は何で出来ているのか?」「なぜこの縄を使うのか?」「縄は何本使うのか?」「なぜ円錐形にするのか?」「縄で吊る枝は何を基準に選んでいるのか?」「どのようにして縛っているのか?」「なぜその縛り方なのか?」などなど、質問も次から次へと飛び出します。
質問に答える日本の庭師さんは「貴作」の木下くんと「木房樹」の近藤くんの八王子庭師コンビ。彼等2人には当社の特殊伐採現場だけでなく村上事務所の庭の管理をお願いさせて頂いてます。Q&Aはポールさんが通訳しながら日本の庭仕事の考え方をロバートさんに伝えていきます。八王子庭師コンビも普段何気なく行っている作業の意味を改めて問われる事で自身の仕事を再認識している様子も見受けられました。
ロバートさんはと言いますと、質問だけでは飽き足らず自らハサミを手に取って「雪吊り」の解体作業に参加、せっかくの機会だからと日本独特の縄縛りにも挑戦されました。挑戦したのは「飾り縛り」、さすがに苦戦のご様子でしたが何とかカタチになりました。
通訳を介した仕事の説明というのは難しいもので、木の見栄えを良くする事を意味する「木を威張らせる」という日本独特の表現を英訳するのに苦戦するポールさんの姿は見ていて面白かったです。
それにしても同じ庭仕事でも日本とイギリスでは随分と勝手が違うようですね。ロバートさんは八王子庭師コンビの仕事ぶりに終止目を凝らしておられました。
日が暮れる前に雪吊り撤去は完了、ロバートさんにもご満足頂けたようで何よりでした。「次回はぜひ雪吊りの設置作業も経験してみたい」とロバートさんからリクエストがございましたので、もしかしたらまた来年の秋、再び村上事務所にロバートさんが来て下さるかもしれません。ロバートさん、当社はいつでも大歓迎です。来日の際にはまたぜひお立ち寄りください。
平成29年4月21日(金)株式会社マルイチ 村上事務所にて
それにしても日本の田舎で外国の方が庭仕事されてるのは何とも不思議な光景ですね。