ファナー無線機の使い心地

みなさま、寒中見舞い申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

今日はファナー社のイアーマフ内蔵型「PROTOS BT-COM」無線機についてレポートします。

 

先日、こんなヒヤリ・ハットがありました。

ポータラップにロープをセットしないまま、断幹作業の追い口を切り始めたのです。慌てたグランドワーカーが大声を出しましたが、チェンソーの音で聞こえないクライマーはそのまま切り進んでいます。異常事態に気づいた列車見張員が拡声マイクで呼びかけると、やっとクライマーが気づきました。

 

「セット完了だと思っていた、、、」

 

他にもポータラップの巻き数が足らず、グランドワーカーが手をやけどした。

逆に、巻き数が多すぎてロアリングがロックしてしまい、クライマーがロデオのように激しく揺さぶられた。

などなど、事故は

 

「思い込み」

「勘違い」

 

から起こります。

 

「知っているものだと思っていた」

「まさかそうなるとは思ってもみなかった」

「気づいていると思っていた」

 みんな自分の都合のいい方に解釈してしまいます。

 

この思い込みや勘違いを完璧になくすことは不可能だと感じています。

普段は「キチット」している人でも、その日の体調や精神状態によって「気づけないこと」が出てきます。

1人ができることは僅かです。ですから、仲間が気づいてチームワークで事故を防ぐ

 

「コミュニケーションが大事」

 

ということは皆さんもご承知のとおりです。

 

しかし、冒頭のようにチェンソーが動いているとせっかくの仲間の声も届きません。

そして、午後になると疲れてきて声を出すのが億劫になります。

さらに、タイムラグがなく、瞬時に応答するのも難しいです。

 

上記の懸案事項を解消してくれるのが「無線機」です。そのメリットは

・チェンソー使用中でも聞こえる。(ノイズカット)

・言ったことがすぐ相手に伝わる。

・大声を出さないので疲れない。

 

つまり、

自分一人では気づかない「危険因子」を、複数の仲間から瞬時にアドバイスをもらえる!

 

様々なメーカーの無線機を試したり、情報を集めましたが、ネックになるのが「配線」です。

余った配線をヘルメットの裏に貼りつけますが結構ぐちゃぐちゃになってしまうのです。

さらにヘルメットの後ろに装着する受信器が、重いし、小枝に引っ掛かってしまいます。

 

そこでたどり着いたのがファナーの無線機です。

パット入りのハードケースに収納されているので持ち運びは安心。

充電はUSBを差し込むだけ。

 

先ず、左側のイアーマフを枠から取り外し、ケースにしまいます。

そして無線機を取り付けるだけ、配線も受信機もありません。

ここまでの交換に30秒。

次に受信機同士のペアリングも30秒と至って簡単、

メカに疎い私でもOKでした。

 

相手と私の距離は最大50m離れましたが

受信感度は明瞭、小さい声でもはっきり聞こえます。

チェンソーの音は一瞬聞こえますが、すぐにカットされ、うるさくありません。

いたって快適です!

 

欠点は

一日中イアーマフを耳に当てていると耳たぶが圧迫して痛いぐらい

防水機能は無く、夏場の汗でどうなるか不明です。

 

今後、事故防止のためにマルイチの現場では随時導入していきます。

 

商品の詳細はODSK様のHPをご覧ください。